痒くてつらい毛じらみ症状

毛じらみ症とは

sirami毛じらみの症状としては陰部の強い痒みがあげられます。
痒み以外の症状が無い場合もありますが、痒みのためにかきむしったりすると湿疹状になったり、細菌感染が起こり化膿するケースもあります。
潜伏期間は1ヵ月ほどで、痒みを自覚するまでに時間がかかることもあります。毛じらみに血を吸われたことによる痒みは強力で、夜も眠れないくらいの時もあります。
一方、慢性感染者等は無症状の場合もあります。毛じらみは病原体の媒介には関わっていませんが、主に性行為によって接触感染を起こすことから性感染症の1つとして位置づけられています。
毛じらみ症は、主に陰部ですが、脇毛等にも起こり、小児のまつげから検出されたという報告もあります。
こういった場合は家族に感染者がいる可能性が高いでしょう。毛じらみ症は、青年の男に多く1990年代中頃から感染者数が増えてきています。

毛じらみの原因の正体は吸血昆虫

067211毛じらみの原因になっているのは、ヒトに寄生する吸血昆虫のケジラミ (Phithius pubis) です。
シラミといっても哺乳類や野鳥の体毛や羽毛にくっついているシラミとは違います。成虫の大きさはシラミの中では比較的小型で1mm~2mmなので肉眼的に見ることができますが、陰毛の根元にしがみついていたりすると「シミ」と間違えたり、陰毛を移動中には「フケ」と間違えたりしやすく発見が難しくなっています。
ただ2本の触覚が頭部にあり、体部には6本の足があって体全体は毛でおおわれた感じで、カニに似た独特の形をしているので、見つかればすぐに毛じらみと判別することが可能です。
また蚊等と同じで、吸血することにより血液がケジラミの消化管に入ると褐色を帯びた普段は白色の体が赤茶色に見えるようになるので見つけやすくなります。特に4本の後ろ足にはカニのような大きな爪があり、陰毛にしがみつきやすくなっていて、毛が少しでもあればそこにしがみつくことができ寄生します。
毛じらみは、性器周辺の臭いを好むため陰毛に多く寄生して、性感染症の原因になりますが、陰毛だけでなく腋毛・胸毛・肛門周囲の毛・太ももの毛・眉毛に寄生することもあります。

卵の特徴とシラミの一生

シラミはオスとメスが交尾し卵を産みます。
卵は毛の根元に近い方がしっかりとセメント様物質で固定されたようになっていて、陰毛に対して斜めについているような感じで、光沢のある灰白色をしています。
通常は1週間から10日ほどで孵化し、脱皮して大きくなり2週間前後で成虫になり、1ヵ月弱生きると言われています。
ただし、吸血源であるヒトから落っこちると1~2日で死んでしまいます。パラサイトのケジラミ君も必死にヒトにしがみついているわけです。